事件事故で増える身元不明者

近年、事件現場での遺体や変死体の身元が特定出来ない事態が増えたいおります。
事件現場で遺体や変死体が見つかると、まず警察は「家族に身元の確認を求める」のですが、「家族に連絡が取れない」「損傷が酷く外見から特徴が判別出来ない」場合は、歯型から受診履歴を元に身元特定します。
しかし、それも受診した歯科医が割り出せない場合などは確認が困難になります。
DNA型鑑定による身元確認には通常、家族からのDNA型データを提供してもらう事が必要で、故人のDNAだけではどうにもならないのです。
相当な期間を経ても身元が確認出来ない遺体には「身元不明死体票」が作成されます。
「身元不明死体票」の年間作成数は、近年、約1000人で推移し、昨年は全国で【1298人】に上ったとの事です。
1人暮らしの高齢者の増加とともに、「身元不明死体」も増加しており、内閣府発表の「高齢社会白書」では、65歳以上の単身世帯の高齢者は1980年の約88万人から2010年には約480万人になっております。
1人暮らしの高齢者は身寄りが見つかりにくく、「見つかっても協力を拒否される」事もあるようです。
【超高齢化社会】と言うだけでなく【無縁社会】も広がりつつあります。
警視庁では【身元不明相談室】を開設し、ホームページでの似顔絵などの情報を公開しております。
【http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/sodan/madoguchi/fumei/index.html】
「昨年東京都内において亡くなり、身元が分からないご遺体が、約100体あります。
これらのご遺体は、身内の引き取り手がなく、無縁仏となっています。
お心当たりの方や、心配されている皆様のご相談に応じています。」
【無縁仏】となったご遺体は、発見された自治体に遺体が引き渡され、自治体が委託している葬儀会社で火葬され、遺骨はお寺へ引き取られるという事です。
その【無縁仏】には、名前はなく、「識別番号」が記載されています。
【無縁社会】を無くす事が【無縁仏】を減らす第一歩ではと感じます。